平成28年度「家庭の日」作品コンクール 最優秀賞(三・四年の部)

「ぼくの家族はみんなヘルパー」

玉川村立須釜小学校 3年  片寄 太晴

「おじいちゃん、まだ朝五時だよ!」

お母さんの大きい声に、ぼくは目をさましました。部屋のカーテンを開け、まどから外を見ると、足のわるいぼくのひいおじいちゃんがはいはいをして外に出ていました。お母さんは大きな声で家の中に入るようせっとくしています。そこへ、おじいちゃんとおばあちゃんがやって来て、ようやくひいおじいちゃんは、家に入りました。

ぼくのひいおじいちゃんは、時間がわかりません。トイレも自分でできないし、ごはんも自分一人で食べられません。そう、ぼくのひいおじいちゃんは、にんちしょうなのです。だから、家族みんながひいおじいちゃんのお世話で毎日とてもいそがしいです。お母さんとおばあちゃんは、トイレやごはんのお世話をし、お父さんとおじいちゃんが体重の重いひいおじいちゃんの車イス係をしています。でもぼくは、大へんだしひいおじいちゃんに大声でどなられるのがいやで、お世話にはまざっていませんでした。ぼくは、どうして、みんなはひいおじいちゃんのお世話を大声でどなられながら、がんばっているのかなとふしぎに思いました。

そんな中、ぼくはお父さんと二人でみやぎに男旅に出かけました。その時にとまった温せんの部屋で、ぼくはふしぎに思っていたひいおじいちゃんのお世話について聞きました。

すると、

「お父さんはね、ひいおじいちゃんのことをすごくそんけいしているんだ。」

と言いました。ぼくはその言葉にびっくりしました。そして、そんなぼくの気持ちをわかったようにお父さんがつづけました。

「太晴が小さいころに、ひいおじいちゃんはにんちしょうになったから太晴は知らないと思うけど本当にすごい人で、お父さんはいろいろ教えてもらったんだよ。」

そんな言葉を聞いて、ぼくはにんちしょうになっても家族に大切にされるひいおじいちゃんはすごい人なんだなと思いました。

お年よりのお世話をする人のことをヘルパーというそうです。ぼくも家族といっしょにひいおじいちゃんのヘルパーになりたいと思いました。でもぼくはごはんも作れないし、重いひいおじいちゃんを車にのせることもできません。どうすればぼくもヘルパーになれるだろうと考えました。そしてひらめきました。そうだ、みんながひいおじいちゃんのお世話に集中できるように、ぼくは妹の面どうを見よう!と。このことを家族に言うと、

「ありがとう。」

と言ってくれました。これでぼくもヘルパーになれたと思い、うれしかったです。

ぼくは、お父さんのように、ひいおじいちゃんにそんけいの気持ちをもって、これからは家族みんなで力を合わせて、ヘルパーをするんだということを決めました。