平成28年度「家庭の日」作品コンクール 最優秀賞(五・六年の部)

「我が家のコミュニケーション」

西郷村立小田倉小学校 6年  大高 秀斗

僕の家族は、歌うことが大好きです。僕も姉も学校の特設合唱部に入り、毎日、大会に向けて練習しています。母も、僕達の卒園した幼稚園のお母さん達と「ママさんコーラス」で歌っていて、施設へ、い問に行ったり、幼稚園の子供達の前で歌ったりしています。

昨年三月に病気で亡くなった父も、歌が大好きでした。父は、病気になる前は、毎週末のように遠くへ遊びに連れて行ってくれました。車での移動中は、いつも、音楽をかけて家族四人で、歌の大合唱をしていました。大好きな歌手の曲はもちろん、僕達の練習曲も何度も何度もかけて、四人で歌っていました。車の中だけでなく、家の中でも、誰かが口ずさむと、必ず他の三人も歌い出します。例え僕が姉とケンカして父母に叱られた後でいやな雰囲気の時でも、テレビから流れてくる曲に合わせて誰かが歌えば、その後は、いつの間にか他の三人も加わり歌っていることが多くあり、ケンカの仲直りなども歌うことで出来ました。

父も母も、僕達の合唱の大会をいつも楽しみにしてくれていて、必ず、見に来てくれました。昨年、三月に父が病気で亡くなり、母も姉も、そして僕も、とてもさびしい気持ちでいますが、亡くなった後も、僕達三人は、変わらずに歌うことが大好きで、いつも歌っています。天国の父に聞こえるようにと思っていますが、父のことだから、きっと天国で一緒に歌っていると思います。

「歌うこと」は、僕にとって、家族が一つになれる大切なコミュニケーションです。なぜかというと、父が元気でいた時だけでなく、父が亡くなった後も、歌うことで天国の父ともつながっているように思えるからです。

夏休み中の今、大会に向けて、毎日練習を頑張っています。歌は大好きでも、「練習休みたいな」と思うことがありますが、僕達の歌声が、大会の会場にいるたくさんの人達の心にひびき渡るよう、歌いたいと思います。きっと、父も、会場で僕達の歌声を聞いて、いっしょに歌ってくれると思うので小学校最後の年、残りの練習を頑張りたいと思います。

今、僕は、小学校を卒業し、中学、高校生になっても合唱を続けたいと考えています。その後も、歌うことを大切にしていきたいと思います。そして、これからも母と、姉、そして天国にいる父との四人で「カルテット」を大切にしたいと思います。それが、亡くなった父とつながれる大切な時間だと思えるからです。