平成30年度「家庭の日」作品コンクール 最優秀賞(5・6年の部)

家族カレンダー

須賀川市立第三小学校 6年 田中 裕斗

 ぼくの家は、五人家族です。お父さんとお母さんは会社に、お姉ちゃんとぼくと妹は学校へ行く準備で、毎朝いそがしいです。なので、準備が出来た順にご飯を食べて出かけています。なかなか家族一緒にご飯を食べる事は、できません。みんな別々の朝ご飯です。

 けれど、ある朝、テーブルにカレンダーが置いてありました。「何だ、これ。」カレンダーをよく見てみると、ぼくの学校行事や習い事の時間、家族みんなの休みの日などが書いてありました。「これで、家族みんなが何をしているか分かるでしょう。」とお母さんがぼくに言いました。「すごいね、これ。」と、カレンダーを見ながら、お父さんとお姉ちゃんが言いました。妹は「私の誕生日が書いてある。」と喜んでいました。ぼくも自分の事が書いてあって、嬉しく思いました。

 その日から、ぼくは学校から帰ると、テーブルに置かれた家族カレンダーを見るようになりました。そして、お父さんとお母さんの休みを確認しました。次の日曜日は、二人とも休みの印が付いていました。「やったあ。」ぼくは、嬉しくて指をパチンとならしました。家族みんなが休みの日は、遊びに連れて行ってもらえるからです。ぼくは、カレンダーの日付の下に小さく数字を書いて、カウントダウンを始めました。それに気付いた妹もぼくと一緒にカウントダウンを始めました。次の日には、家族みんなが気付いて、「どこに行きたいか、カレンダーに書いて。」とお父さんは言いました。ぼくは、お姉ちゃんと妹に相談して、どこに行くか決めました。カレンダーを見るだけで気持ちがはずみました。

 お母さんが書き始めた家族カレンダーに、だんだんぼく達も書くようになりました。

 朝ご飯は、家族みんなで食べられないけれど、家族カレンダーをみんなが確認する事で、家族の会話が増えました。

 家族カレンダーが出来て、一番嬉しかった事は、お父さんがカレンダーを毎日見て、ぼく達の予定を覚えてくれる事です。

 いつもぼく達よりも先に会社へ行き、夜遅くに帰ってくるお父さんとは、朝ご飯だけでなく、夜ご飯もなかなか一緒に食べられないし、話をする事も出来ません。けれどお父さんは、カレンダーを見て、ぼく達の運動会や授業参観があると、「見に行くからね。」と休みを取って、お母さんと見に来てくれます。

 これからも、家族カレンダーをみんなが集まるテーブルに置いて、家族を結ぶ大切な物にしたいです。