第38回少年の主張 福島県大会 優良賞

私たちにできること

伊達市立霊山中学校 2年 吉田 愛里

「患者さんが健康でいられることが私たちにとっての幸せなんだよ。」

私は、7月に学校の近くの病院で職場体験をしました。この言葉は、その病院の看護師さんの言葉です。看護師さんは医師が診察するのを助けるだけでなく、患者さんとのコミュニケーションや思いやりの心を大切にしていました。特にお年寄りの患者さんには、さりげなくいろいろな手助けをしていました。そして患者さんの中には

「お話をすることが、病院に来る楽しみでもあるのよ。」

と、笑顔で話してくれる人もいました。看護師さんと患者さんが強い信頼関係で結ばれていることに感動しました。

今年の全国の高齢化率は、26.7%、つまり、約4人に1人が高齢者ということです。福島県の平成27年度の高齢化率は28.5%で、全国平均を上回っていいます。そして伊達市では32.3%、ほぼ3人に1人が高齢者ということになります。このような中で、伊達市では、「健康都市」の実現に向けて「健康であることは、個人としての幸せであるとともに、地域社会全体を明るく暮らしやすくしていくもの」という考え方で様々な取り組みを行っているそうです。このようなことも、高齢者の方々が健康に暮らせる一つの大切な支えになっていると思います。たくさんの人が様々な形で高齢者を支えていることを感じた一方で、私は特に何も意識したことがなかったことに気づきました。

私達中学生にできることは何か。まずは、介護している家族を手助けすることです。私にも95歳の元気な曾祖母がいます。普段は私の祖母が介護をしていますが、週に一度デイサービスに通い、地域の人と楽しくお話しして帰ってきます。その時間は祖母にとっても一息つける時間になっているようです。しかし祖母は、家事や介護、そして私達の面倒までみてくれています。祖母自身ももう60歳を超えているのですから、毎日本当に大変だと思います。だから、少しでも祖母の負担を減らせるように兄弟3人で協力し、祖母を支えていきたいです。

そしてもう一つ、とても大事なことは、看護師さんのように、笑顔でコミュニケーションをとることです。これは簡単なことのようで、実は意外と勇気のいることかもしれません。しかし、思い切って実践してみれば、私達の方がお年寄りの方から、生活の知恵や、人への心遣いなど多くのことを学べます。また「お話しするのが楽しみ」と言っていた患者さんのような方に喜んでもらうことで、小さいことでも、高齢化社会の一員として誰かの役に立つことができるのではないでしょうか。

また、私は1年生の時に、高齢者の方の大変さを知るために、重りを全身につける体験をしました。思うように動けず、日常生活が不便なことでいっぱいになってしまいました。そういった不便さんを思いやり、元気な私たちがサポートしていくことが大切だと思います。例えば買い物に行った時はかごを持ってあげるなど、私達の身の回りには、高齢者の力になれるコミュニケーションがたくさんあるのです。

私にとって自分の家族や地域の年配の方は、いつも笑顔で私たちをかわいがってくれる存在であり、生き生きと元気に暮らしていると感じていました。しかし、高齢者疑似体験や、病院での職場体験を通して、それぞれに体調面での大変さを抱えて生活している方も多いのだということに気づきました。しかし、私達の暮らすこの地域は、そういった地域の高齢者の方々が造り、守ってきてくれたもので、私達はそのおかげで今豊かな生活をしているのです。

私達にとって一番大切な事は、まず自分の夢や目標に向かって頑張ることであり、それを地域の皆さんが応援してくれています。でもやはり、私達も高齢者の方を支えるためにできることから行動し、私達子供からお年寄りまで、みんなが健康に生活できる地域づくりに役だっていければと思います。