第40回少年の主張 福島県大会 優良賞

今をより良くするために

新地町立尚英中学校 3年 寺島 香菜

 「警察が防犯カメラの映像を公開し、行方を追っていたコンビニ強盗事件の容疑者が逮捕されました。」

 こんなニュースを聞いたことはありませんか。最近、防犯カメラは私たちの生活に身近なものとなっています。

 街のあちこちで防犯カメラが24時間、監視しているので、犯罪を未然に減らすという防犯カメラの効果は大きいと言えます。

 予想もつかない事件が発生する現代、防犯カメラは欠かせないものになったと言っても過言ではないでしょう。

 防犯カメラの映像は事件解決に役立てられることもあります。導入費用が安いため、防犯カメラがあれば見回りの人員を削減することもできると考えられます。

 修学旅行で東京、横浜に行った時、どこへ行っても、建物一つ一つに、防犯カメラがついているのを見て、そんなに犯罪が多いのかと心配になりました。

 新地町はそんなことはありません。防犯カメラがあるのはお店の前や公共施設くらいでしょうか。それでも、町の犯罪件数は多くなく、目立った違反行為も見られません。

 何故でしょうか。

 もちろん、新地町は地域の結び付きが深く以前から犯罪が少ないということもあります。それは、地区の集まりや交流があって、みんなが顔馴染み、という環境が新地町にはあり、犯罪が抑制されていると私は思うのです。

 私の住む、新地町城内地区では、3ヶ月に1回程度、地区の集会を開いています。新しく地区に引越してきた人がいる、今度こういう行事が行われるなど、毎回いろいろな話題があがるそうです。また、年に1度、地区の人たちが集まってゴルフをしたりすることもあります。

 どの年代も、住民同士の付き合いがよく、高齢の方も協力して、私たち小中学生の交通安全運動や見回りなどに協力してくださいます。このようなことは、人がカメラに代わって、町を温かく見守っているとはいえないでしょうか。

 5月末には国道沿いの緑化活動が行われています。毎年行われ、私も何回か参加したことがあります。小中学生の姿はあまり見られませんでしたが、沢山の方が参加していました。地域の方と一緒に、花壇の手入れをし、花を植えるという簡単な作業です。しかし、終わる頃には、話したことのなかった方々とも自然に話せるようになっていました。それに、自分の家に花を植えたときよりも楽しく、花壇の花がより美しく見えました。

 緑化運動に参加してからも、私は花壇の側を通る度、注意して道路の辺りを見るようになりました。家や学校でも、町で何かイベントがないかというように、町のことに興味を持つようになりました。

 私たち中学生も、地域の一員です。私たちも、できる限り多く、なるべく地域の方々とふれあう活動に参加してはどうでしょうか。私たちが町の活動に、町の一員として参加することで、関心が高まり、この地域をもっと良くしたいという気持ちになれるはずです。

 防犯カメラで町を見張るのは簡単で、手間もかかりません。しかし、多すぎては、防犯カメラ頼みになる危険性もあり、息苦しい感じもします。人が繋がりあい、助け合う機会も奪ってしまうかもしれません。

 みんながみんなを、住民みんなが地域を見守っているんだと意識すれば、地域の目は防犯カメラ以上の力になると思います。そこには新地町のように、見守りあい、助け合う温かさも生まれるのではないでしょうか。

 みなさん、地域の活動に参加してみませんか。私たち中学生の力も、地域は必要としている。私はそう考えます。