第41回少年の主張 福島県大会 優秀賞

私の将来の夢

西郷村立西郷第一中学校 3年 白岩陽菜

 学校の授業で「将来の夢」について考える時間がありました。そのとき、私がはっきりと決めた夢が「救急救命士」になるということです。理由は二つあります。

 一つ目は、父の影響です。救急救命士の父は、たくさんの命を救っています。そんな父の姿を近くで見てきて、かっこいいなと思いました。そして、将来、父のようなたくさんの命を救う救急救命士になりたい、と思うようになりました。

 二つ目の理由は、テレビで救急救命士の方々の働く姿をみたからです。印象的だったのは、熊本地震の時に、たくさんの人に声をかけ、寄り添っている姿です。日本では自然災害が数多く発生し、その二次災害で多くの人が怪我をしたり、命を落としたりしています。そのニュースをテレビで見て、いま私ができること、目指すものは、「人の命を救うこと」なのではないか、と考えるようになりました。消えかけている命を救いたいと思いました。

 私が救急救命士になりたいと思うようになったのは最近のことです。以前までは、目指すことに「迷い」がありました。この仕事は、人の命に関わる責任の重いものであり、危険さや体力的な厳しさもある仕事です。女性となると、男性よりも努力が必要になります。厳しい環境の中で自分は続けていけるのか、ということが「迷い」の原因でした。しかし、いまは救急救命士になる、と強く決断しました。決め手となったのは、二年生の時に行った職場体験です。私は、消防署へ体験に行きました。

 初日は、自分自身がとても行きたかった職場なので、「楽しみ」という気持ちが強かったです。ですが、体験の中では、防火服を着てホースをもったまま階段を上り下りするつらい訓練もありました。その時、気になったことが、救急救命士の仕事を、なぜ続けることができるのかということです。私は質問してみました。すると、その方は、「助けた人にありがとうっていわれると嬉しいし、達成感があるから続けられているんだと思います。」そう教えてくれました。そのことを聞いてこの仕事の良さをまた一つ知ることができました。また、この職場体験では、女性の救急救命士の方ともお会いすることができました。災害現場で働く人の中で、女性の数は多くはないというのが現状です。日本で働く女性消防士はわずか三パーセントほどで、増えてはきているものの、まだ多くはありません。男性が多くをしめるこの仕事で、女性で活躍されている方にお会いすることができたのは、とても自信につながりました。努力を続ければ男性よりも強い救急救命士になれる、そう私は信じています。

 災害大国といわれる日本では、最も人手が必要になってくる救急救命士。簡単な仕事ではなく、挫折することもあるかもしれないし、辞めたくなることもあるかもしれません。でも、努力次第で人はいくらでも変われる。消防士の方がそう教えてくれました。

 消えそうな命をつなげる。心を支える。それが救急救命士の大きな目標だと思います。口ではいくらでも言えるけど、行動することはとても大変です。でも、この夢だけは絶対にあきらめたくありません。これから先もいまのこの強い気持ちを一瞬たりとも忘れることなく、父のような、父を越える救急救命士をめざしていきます。そして、たくさんの人の命を未来へつなげていきたいです。